2026年度 理事長所信
【はじめに】
第二次世界大戦が終戦し、戦争の傷跡が人々の心に深く残る中「新日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと、青年会議所の運動・活動は始まりました。「修練」「奉仕」「友情」という三つの信条をもち、責任感と情熱をもった青年有志たちによる運動・活動が展開される中、1982 年志を同じうする 70 名の青年有志が集い、一般社団法人宇治青年会議所の暖かいご指導のもと、全国で 696 番目として城陽青年会議所が認証されました。
城陽の地を深く愛する先輩諸兄姉は、「私たちは地域のために今何ができるのか」という問いを胸に、常に情熱を燃やし続けてこられました。ひたむきに前に進む力は、人間が抗う事のできない自然災害でさえも、人と人とのきずなに変え、糧とすることで城陽の地に暖かい陽をさし続け、本年で 45 年目を迎えることとなります。先行きが不透明な時代でこそ、我々のまちを想う志や行動が大切なのです。
しかし、常に変わり続ける時代の中、私たち一人ひとりは今、人とまっすぐに向き合うことができているでしょうか。心からまちの課題に向き合えているでしょうか。
目の前のこと一つひとつに対して全力で行うことは、大きな成果や夢の実現につながります。「あの時できた自分ならまたやれる」という自己肯定の土台となり、自分の成長や自信に必ずつながります。私たちがこの瞬間を全身全霊で生き、常に本気の運動・活動を行うことで、多くの人々に愛し続けられるまちを作り上げて参りましょう。
【過去・現在・未来へ】
1982 年、我が青年都市城陽を愛し、次世代を担う若い力の結集によって一人ではできなかったことを多くの友と力を合わせ、未来のあるべき姿を模索し発展の礎とするため、城陽の地に青年会議所が誕生いたしました。そして 2026 年となる本年、城陽青年会議所は 45 周年である節目の年を迎えることができました。
私は「節目の年」というものは、立ち返り、見つめなおし、新たに志したものを伝える契機であると考えます。我々の組織運営は単年度制であるため、組織の方向性が毎年変わり、運動の連続性が失われ、「不連続の連続」と言われることがあります。しかし、年ごとに運動の方向性が変わろうと「明るい豊かな社会の実現」を理想に掲げ、その年々を理事長をはじめとするメンバーの皆様が熱い情熱をもち、その時その瞬間の本気の運動・活動を積み重ねてこられたからこそ 44 個の輪がつながり、今があります。私たち現役のメンバーは、今この場に立ち JC 運動・活動を行えることを当たり前と思うのではなく、先輩諸兄姉が築き上げてきた 44 年という歴史に思いを馳せ、感謝と敬意を示すことで、先輩諸兄姉との関係性を深めて参りましょう。
また、私たちが運動・活動を続けていくうえで、城陽市民、関係諸団体の方々に対し城陽青年会議所の存在意義を示すことは、私たちが成長するために必要不可欠です。青年会議所という団体は、ただ単にメンバーが集まり楽しむための集団ではありません。まちの課題に真摯に向き合い、奉仕の精神をもつ、志高き青年経済人が集まる団体です。私たちの想いを明確に発信し、青年会議所の意義を城陽市民、関係諸団体の方々に認識していただくとともに、誰もが.心躍り、記憶に残るような形にすることで、「自分たちの運動・活動が社会に貢献している」という実感をメンバーにもっていただき、青年会議所に所属している誇りと自信につなげます。そして、次なる 50 周年またはその先の未来へバトンをつないでいきます。
【持続可能なまちへ】
現在、城陽市は、出産・子育て支援の不足をはじめ、雇用、交通、教育、防災など、生活全般に関わる多岐にわたる課題を抱えております。一方で、市は地域の活性化に向け、新名神高速道路の全線開通、プレミアムアウトレットの誘致、JR 奈良線の複線化といった大規模インフラ整備や経済施策を推進しており、地域創生の観点から一定の成果が期待されているところです。こうした外部主導による施策やインフラ整備は、地域にとって必要不可欠な取り組みではありますが、多くの場合、補助金や事業期間の終了とともにプロジェクト自体も終息し、「作って終わり」となるケースが数多くあります。これでは、持続的な地域の発展には結びつきにくいのが現状です。
真のまちづくりとは、外部の支援や制度に依存するのではなく、「自らの住むまちをより良くしたい」と考える市民一人ひとりの意識と行動によって成り立つものです。すなわち、自発的にまちづくりに関与する人財こそが、持続可能な地域社会の実現に不可欠であると考えます。しかしながら、現在の城陽市民における地域活動への参加は低調であり、仕事や学業への時間の割り当てが大きく、健康や体力の不安からも自主的にまちづくりに関与しようとする機運は年々希薄になりつつあります。
地域の課題に真摯に向き合い、長年にわたりまちづくりに尽力してきた私たち城陽青年会議所は、まちづくりの楽しさや、課題を魅力に変える方法をよく知っています。まちづくりのプロセスそのものが持つ面白さや達成感を城陽市民の皆様と分かち合いともに本気で活動することが、単なる一過性のイベントに留まらない、皆様の記憶に深く刻まれる貴重な経験となると確信しています。このような経験が、地域への愛着と誇りを育み、未来へと継承される持続可能なまちづくりの揺るぎない礎となるのです。
【組織の拡充】
組織が人で構成される以上、最も重要視するべきは人であります。青年会議所において会員が増えることは、より大規模で質の高い事業の実施が可能となります。多様な人財が多く在籍することは、専門性の知識の幅が広がり、事業における発想や手法にも厚みも生まれ、人数が増えることで役割分担がしやすくなり、一人ひとりの負担が軽減されることで、活動の効率化と持続性が高まります。また、会員の拡大を行うと同時に青年会議所の組織力をさらに高めていくためには、入会間もないメンバーや、現在モチベーションが思うように高まっていないメンバーへの積極的なサポートが重要です。一人ひとりが前向きに活動に参加できるような環境を整えることで、メンバー全体の結束力が強まり、より活気ある組織づくりへとつながっていきます。
そして、JC 運動・活動として取り組む内容も重要ではありますが、ともに取り組む相手、すなわち「誰とするか」ということもまた、極めて重要な要素であると考えます。委員会に捉われず人と人とのつながる場を創出し、信頼できる人間関係を構築することは、意見の違いがあっても前向きな議論ができ、困難な状況でも助け合うことができます。一緒にいて刺激を受ける人や尊敬できる人を1人でも多くつくることは、退会者を抑制するだけでなく JC 運動・活動に対する意欲も自然に高まり、ひいては城陽青年会議所という組織がより良い組織となることにつながります。また、青年会議所としての活動には期限がありますが、人と人のつながりに終わりはありません。多くの時間をともに過ごし、メンバー同士の本気のつながりをつくることは、どの資産にも代えがたい生きた財産となり、自身の宝となります。
【一生の宝となる絆】
JC バッジとプレートは魔法のカードであると言われることがあります。我々はこのカードを所持しているだけで LOM メンバー以外にも京都ブロック協議会、先輩諸兄姉、姉妹 JC である大韓民国慶山青年会議所、また地域の関係諸団体等多くの出会いと経験の機会を得ることができます。自らがこれら一つひとつと真摯に向き合い付き合うことで、利害関係のないつながりを構築することができるのではないでしょうか。表面的ではない関係性だからこそ、本音で議論することができ、刺激し合うことで自身の視野を広げ、多様な価値観を感じることができます。自らの手で本気でチャンスをつかみに行き、一生涯の宝物を得られるような交流は、自身の JC 運動・活動をより良いものとし、ひいては自身の人生においてのかけがえのない経験となります。
【結びに】
青年会議所という場は、自らの意志で挑戦する機会を得ることのできる貴重な環境であり、その挑戦の中で生まれる失敗もまた、成長の一部として受け入れることのできる団体であるといえます。しかし私は、単に「失敗が許されるから挑戦する」のではなく、物事を本気で成し遂げようと覚悟を決め、全力で行動した結果としての失敗にこそ、大きな意味があると考えています。与えられた役割を無難にこなすだけでは決して得られない経験、それは、自分自身の「弱さ」や「課題」と向き合う機会です。本気で取り組んだからこそ浮かび上がるその課題こそが、次なる挑戦への具体的な糧となり、成長への確かな一歩を生み出します。
できないことを恐れて挑戦を避けるのではなく、失敗を通じてこそ得られる学びや気づきを大切にし、それを原動力として次に進む。その積み重ねが、人を育て、組織を強くし、やがて地域を動かす大きな力となるのです。私は、たとえ一度つまずいても、自らの信念と仲間の支えを胸に、もう一度立ち上がる勇気をもち、何度でも前に進んでいく。そしていつか、あのときの悔しさも、不安も、全てを笑って語り合える日が来ると信じ、どんな結果であっても本気で挑戦し続ける姿勢を 1 年間貫きます。
一般社団法人城陽青年会議所
2026 年度 理事長 森山 大生
